握れば拳(こぶし)開けば掌(手のひら)

このことわざの意味は、

『たとえ同じものでも、気持ちや状況で、いろいろに変化するということのたとえ。

手も、握れば人を殴る拳になり、開けば人をなでる掌になる』

ということです。

“怒り”がこみあげてくると、自然と体に力が入り、手をギューと握って、拳をつくっていることがありませんか?

喧嘩っ早い人なら、思わず怒りを向けて人を殴ったり、物を壊したりしていることでしょう。

しかし、同じ状況でも、人によっては、『恨まず、怒らず』、その状況を「自分にとっての試練」と受け止めて、気持ち穏やかに一歩を踏み出すことでしょう。

「手のひら」とは、不思議なもので、我が子がお腹が痛かったり、転んで怪我をした時など、お母さんが

「痛いの痛いの飛んでいけ~」

と、優しく患部をさすってあげると、魔法がかかったように、良くなるということがあります。

また、緊張して筋肉が固まった体を優しく手のひらで触って、ケアしてもらうと、緊張が緩み、全身がリラックスするという効果があります。

まさに、「掌」は、“癒す”力があるということです。