今や「働き方改革」により、「時間外・休日労働の削減」をする企業がどんどん増えてきました。
しかし、教員という職種においては、まだまだ、「働き方改革」も十分ではないようです。
最近の新聞記事に、中学校の新任教諭であった男性が自殺した事件で、父親が県と町に、
損害賠償を求めた訴訟について掲載されていました。 「自殺したのは、長時間勤務などを認識しながら、校長らが適切な措置を取らなかったことが原因として、学校側の責任を認め、損害賠償金の支払いを命じた。
教諭は、新任時に、1年生の担任や部活の副顧問などを担当。 恒常的な時間外勤務が160時間を超える月もあった。
その後、うつ病などの精神疾患を発症し、車内で練炭自殺を図った」 という内容でした。
時間外・休日労働時間が月45時間を超えると、脳・心臓疾患発症のリスクが上昇してしまいます。
部活動指導を学校外の外部に任せたり、「事務作業の軽減」「学校行事の見直し」などと、少しずつ改善されていますが、新しい取り組みが導入され、教員の負担も大きくなっています。
教員に限らず、働く人達が長時間労働により、ストレスが長く続くと、疲労が蓄積し、脳の機能が低下してしまいますが、人の身体には、生命を維持する上で大切な
機能である“ホメオスタシス(恒常性維持機能)”の働きがあり、外部環境の変化に適応し、一定に保とうとしていきます。
しかし、ストレスが長く続いたり、繰り返されると、過剰に疲労が蓄積し、その機能も、崩れてしまいます。
コップに注いだ水がある程度までは、表面張力の力で保っていますが、それを超えると、一気にこぼれ落ちるように、身体の症状として、現れてきます。
新聞記事のような事にならないためにも、教育界でも、どんどん、「働き方改革」が進んでいってほしいものです。