今から75年前の1945年8月9日午前11時2分。
長崎市に原子爆弾が投下されました。
長崎市で生まれ、育った私は、小さい頃から、学校や周囲の大人から
原爆の事や8月9日がどんな日であるのかを
毎年、教え、伝えられてきました。
また、大人になり、小学校の教師となってからも、原爆について、戦争についてを
8月9日の登校日に、子どもたちへこの日の意義を話してきました。
2年生の担任をしていた頃、こんなことがありました。
「長崎の子うま」という本を人形劇にした作品のDVDを
子どもたちと一緒に鑑賞していました。
それを見ていた女の子がぽろぽろと涙を流して泣き出したのです。
長崎の原爆で母を亡くした子馬、いなさ号が主人公の物語。
原爆の被害にあったのは人間だけでなく、動物や植物も一緒。
人間の身勝手さが起こした戦争のために動物たちは犠牲になってしまったという、とても、悲しいお話です。
その子は、お母さんを亡くした子うまの気持ちを思って、
とても、悲しかったのでしょう。
長崎県下の小・中・高校では、8月9日は、登校日となり、戦争、原子爆弾、平和についてを考える日となっていますが、
他県(広島県を除く)では、8月9日が何の日なのかさえも、知らない子どもたちも多いという現実があります。
きっと、この女の子は、「8月9日」を忘れることはないでしょう。
原爆投下から75年。
「二度と同じようなことを繰り返さないでほしい」
と祈るばかりです。